トピックス一覧

日本肝癌研究会
について

概要

目的
本会は肝腫瘍に関する研究ならびに診療の進歩・普及を図ることを目的とする。
構成
組 織:
理事長1名 副理事長 1名
理事 8名 評議員 109名 
特命評議員 1名、
監事 2名
会 員:
名誉会員 49名 

施設会員 364施設
個人会員 1,494名
(令和6年8月21日現在)
事業
  • 1)学術集会(年1回)
  • 2)協力施設からの新規登録患者の疫学的、診断・治療学的解析
  • 3)予後調査と生存率の算出
    2)、3)については2年に一度、報告書を刊行
  • 4)肝癌取扱い規約の作成・改訂
  • 5)治療効果判定基準の作成・改訂
  • 6)その他

理事長
挨拶

理事長の写真

日本肝癌研究会 2024
新理事長挨拶

 先日の新理事会で理事長を拝命しました京都大学医学研究科 肝胆膵・移植外科 波多野悦朗と申します。私のような外科医が、歴史ある日本肝癌研究会の理事長を拝命できたことは、大変光栄であるとともに、その大任に身の引き締まる思いです。

 日本肝癌研究会は肝腫瘍に関する研究ならびに診療の進歩・普及を図ることを目的として1965年に創設され、現在では肝腫瘍の診断・治療の診療に携わる1664人の医師、研究者と全国372の施設(令和6年4月26日現在)で構成される学術団体です。本研究会の事業のひとつが、協力施設からの新規登録患者の疫学的、診断・治療学的解析および予後調査と生存率の算出で、2年に一度、報告書を刊行しています。調査に協力するのは、日本肝癌研究会「施設会員」および本研究の趣旨に賛同する「協力施設」です。

 全国原発性肝癌追跡調査のはしりは、1969年第5回日本肝癌研究会において陣内伝之助会長が集計、報告したもので、その内容は、手術例総数452例、肝切除例数125例(切除率28.0%)、手術直接死亡23.2%、5年生存率8.0%でした。第 23 回全国原発性肝癌追跡調査報告(2014~2015) は516施設から20889例の新規症例と追跡症例42274症例が集計されています。肝細胞癌全症例94289例の生存中央値は67.22ヶ月(約5.6年)5年生存率53.6%と格段の進歩を遂げています。

 RCTで得られる結果は必ずしも実際の臨床の状況に合致するとはいえません。癌の進行度のみならず、肝機能により様々な治療法が選択される肝癌においては、全国原発性肝癌追跡調査で得られるリアルワールドデータこそが宝で、実際の臨床を反映する貴重なものです。前述のごとく、全国原発性肝癌追跡調査を施行することにより本邦における肝癌の現状を把握することは、原発性肝癌に関する研究ならびに診療の発展に大きく寄与し、国民の健康の向上に大きく貢献してきたといえます。ただし、さらなる今後の新しい治療体系の確立には前向き試験が望まれます。

 現在、肝癌の診療は大きく変わろうとしています。ウイルス性肝炎の克服とともに肝癌の原因疾患の変化と薬物療法の発展は明らかです。さらに患者さんの高齢化も著明です。世界屈指の治療成績を誇る本邦の肝癌診療において、これ以上の治療成績は望めないのでしょうか?そうはいっても、radioembolizationと脳死肝移植の普及に関しては完全に海外から取り残されています。治療は多彩となり、局所療法と薬物療法の組み合わせによりさらなる治療成績の向上が期待されています。

 一方、日本肝癌研究会の会員数の減少は問題です。学術集会での診療科を越えた熱い議論は、この研究会の特徴で、若手にとっても魅力的なはずです。今後は若手も活躍できる透明性のある研究会として以下を提案したいと思います。

1. 全国原発性肝癌追跡調査のデータを用いた研究の公募
2. 日本肝癌研究会による前向き試験の実施
3. 学術集会における診療科横断的セッションの奨励

 是非、皆さん、自らが主役として日本肝癌研究会を引っ張って頂きたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。

京都大学 医学研究科 肝胆膵・移植外科
波多野悦朗

発行書籍・論文

発行書籍一覧 日本肝癌研究会の追跡調査による
論文一覧

転載許諾の申請について

日本肝癌研究会が発行する刊行物の著作権は、日本肝癌研究会に帰属しています。
これらに掲載された図表などを利用する場合は、転載許諾をご申請くださいますようお願い致します。

転載許諾の申請について

全国原発性肝癌追跡調査について

第27回全国原発性肝癌追跡調査詳細について

日本肝癌研究会では「全国原発性肝癌追跡調査」を施行しております。

肝炎ウイルスの汚染地帯の一地域であるわが国は、肝癌の基礎および臨床研究における世界のリーダーであり、肝癌の早期発見、早期治療を含めた集学的医療を行うことにより肝癌の撲滅に立ち向かうことが、肝癌の研究・診断・治療に携わる医師、研究者の使命と考えております。

本研究会は肝腫瘍に関する研究ならびに診療の進歩・普及を図ることを目的として1965年に創設され、現在では肝腫瘍の診断・治療の診療に携わる2,000人以上の医師、研究者と全国約500以上の施設で構成される学術団体であり、本研究会が主体となり全国原発性肝癌追跡調査を施行することにより本邦における肝癌の現状を把握することは、原発性肝癌に関する研究ならびに診療の発展に大きく寄与するとともに、国民の健康の向上に大きく貢献すると期待されています。

■ 調査の目的
本研究は本邦における原発性肝癌の統計および追跡調査を行うことにより、原発性肝癌に関する研究ならびに診療の改善・普及を図ることを目的としています。
■ 調査の対象
全国の病院において臨床診断、切除標本や生検による病理診断、剖検により原発性肝癌と診断された患者さんです。
■ 調査にご協力いただいている施設
日本肝癌研究会「施設会員」および本研究の趣旨に賛同する「協力施設」 です。
■ 調査の方法
2年ごとに、当研究会追跡調査委員会によって作成された登録項目について、一般社団法人National Clinical Databaseの症例登録システムを利用して、データを収集します。また、登録症例は死亡まで追跡調査を行います。
■ 調査結果の公開
本調査の結果は、日本肝癌研究会追跡調査報告として刊行されるとともに、関連学会誌や関連学会で報告されます。
■ 倫理的側面
本調査についての倫理的側面は近畿大学医学部 倫理審査委員会で審査を受けております。また、本調査への参加は患者さんの自由意思でいつでも中止することができます。

尚、本調査ついて質問や疑問等がございます場合には、下記までご連絡ください。

全国原発性肝癌追跡調査
に関する研究

学術集会

次期研究会のご案内

第61回日本肝癌研究会Annual Meeting of Japan Liver Cancer Association

会 期
令和7年(2025年)7月10日(木)~11日(金)
会 場
神戸国際会議場 他
会 長
福本 巧
(神戸大学肝胆膵外科)
詳しくはこちら

第62回日本肝癌研究会Annual Meeting of Japan Liver Cancer Association

会 期
令和8年(2026年)7月17日(金)~18日(土)
会 場
虎ノ門ヒルズフォーラム
会 長
黒崎 雅之
(武蔵野赤十字病院消化器科)

第63回日本肝癌研究会Annual Meeting of Japan Liver Cancer Association

会 期
未定
会 場
未定
会 長
加藤 直也
(千葉大学大学院医学研究院消化器内科学)

過去の研究会

第60回
会期:
令和6年(2024年)7月12日(金)、13日(土)
会場:
アクリエひめじ
(姫路市文化コンベンションセンター)
会長:
村上 卓道
(神戸大学大学院医学研究科放射線診断学分野)
第59回
会期:
令和5年(2023年)7月27日(木)、28日(金)
会場:
大阪国際会議場
(グランキューブ大阪)
会長:
飯島 尋子
(兵庫医科大学消化器内科(肝胆膵内科))
第58回
会期:
令和4年(2022年)5月12日(木)、13日(金)
会場:
虎ノ門ヒルズフォーラム
会長:
椎名 秀一朗
(順天堂大学消化器画像診断・治療研究室)
第57回~35回はこちら

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